夢を見ている。はっきりとその自覚がある。
今日も同じ夢だ。ここは洞窟で、奥にはかすかに光が見える。
光の方へ向かえば、少女が座っていた。
けれど、昨日とは様子が違う。
彼女は泣きはらしたような真っ赤な目をしていて、頬は殴られたような跡があった。
あなたに気が付くと、取り繕うようににこりと笑う。
「こんにちは。待っていました。」
◆殴られた跡について聞く
「あぁ、これは、その。」
「私がこうやってあなたと話している声が村の人に聞こえていたみたいで。」
「誰と話していたんだと聞かれたの。」
「そういわれても、鏡の中から人が出てくるだなんて信じてもらえるわけないでしょう?」
「だから、嘘をつくなって。」
「あはは、初めて手をあげられたわ。村の人も必死なのね。私がけがれてしまっては困るから。」
◆泣いていた理由を聞く
「痛いって涙が出てくるのね。」
「知らなかったわ。こんな風に殴られたことは無かったから。」
「涙が出てきたら、なんだか、止まらなくなってしまって。」
「どうして私…、いや、何でもないわ。ごめんなさい。心配してくれてありがとう。」
抱きしめる、頭をなでるなどして慰めるのであれば、少女は少し驚くもされるがままに抱きしめられたり撫でられた後、「あなたの手って、暖かいのね。」と笑うだろう。
◆何も聞かない
「…あ、ねぇ。名前、考えてくれた?」
少しの沈黙の後、彼女が小さく笑って聞いてくる。
「ねぇ。」
ふいに、彼女が口を開く。
目を伏せて、独り言のようにつぶやく。
「私、神様の生贄になるために生きてきたのよ。それを疑ったことなんてなかったわ。それが私の役割で、それが私の生まれた意味だって、分かっていたのよ。信じていたの。でも…」
そこまで言って、彼女は目をあげる。
そうして、あなたの目をじっと見つめる。
「ねぇ、間違ってないよね?私は、この村のために生贄になることが正しいことなんだよね?」
道に迷った子供の様に、彼女は震える声でそうたずねてくる。
考えてこなかった
考えてこなかったことを伝えれば、彼女はちょっと残念そうに眉を下げて
「まぁ、いっか。せっかくもらってももう名乗ることも無いのだし。」
とつぶやくように言った。
考えてきた
又は今考えて伝える
考えてきた名前を伝えれば、彼女はあなたが考えた名前を繰り返すようにつぶやいた後、にこりと笑う。
「ありがとう。大切にするわ。」